「土壌汚染と土地価格の評価の実務」
足立良夫 著
価格 2,800円(税込)

足立良夫(あだちよしお)
1953年4月生まれ。
京都大学農学部卒。
外食産業、不動産鑑定会社勤務を経て、
88年不動産鑑定士足立良夫事務所を設立。

代表取締役
不動産鑑定士
不動産コンサルタント技能登録者


PUBLICATION

1.土壌汚染を評価することは現代社会の要請

 不動産の価格に土壌汚染という事象を関連づけて考えなければならない時代になっている。
 土地の取引現場では数年前から急にクローズアップされている。不動産の評価のうち、まず調査という場面で注目され、評価実務でも風雲急を告げるばかりに議論の対象となり、評価手法の研究も盛んである。不動産鑑定評価基準でも、土地の価格形成要因のうちの個別的要因に「土壌汚染の有無およびその状態」が追加され、不動産鑑定士等の評価実務家にとって嫌がおうでも独自にでも調査しなければならない項目となった。土壌汚染が存在しない、または土壌汚染の存する可能性が小さいと判断できる場合を除いて、評価する土地の価格に反映しなければならなくなっている。
 土地の評価実務家に、土壌汚染に起因する問題が突きつけられたのは、なぜだろうか。それは、不動産鑑定評価基準に追加されたからでもなく、土壌汚染対策法が施行されるからだけでもない。不良債権付き不動産の処理のシーンで外資系金融機関が持ち込んだデューデリジェンス項目のひとつに挙げられていたからでもない。土壌汚染という人体の健康に危害を与える複雑で厄介な問題について、人間の社会生活の基盤である土地の価格への影響に係る範囲だけでも解決してほしいという社会的要請があるからであると筆者は認識している。そして、社会的要請に応えるべきは、不動産評価の専門職業家である不動産鑑定士等に限られてはいない。土地の価格の評価実務に関連する職務にある税理士、公認会計士、弁護士などの専門職業家のみならず、土地取引に関わる当事者や仲介業者、金融機関の不動産坦保評価に関わる者、固定資産税課や財産税関連部局などの公務員なども当然に含めるべきである。

2.土壌汚染の基礎領域から調査法、対策を紹介

 本書では、まず、基礎編として、上記の土地の価格評価の専門家や関係者達に加え土壌汚染の存する土地(あるいは土壌汚染の可能性が大きい土地)の所有者(分譲宅地や分譲マンションも含めて)も対象に、土壌汚染の基礎知識と調査や汚染対策の概要を記述する。土壌汚染の定義に始まり、土壌汚染対策法と土壌汚染調査や除去等の措置、私法的な性格や経済的な特性についてなるべく簡潔な記述を心がけた。

3.土壌汚染の土地価格評価の理論

 次に、土地価格評価の理論を新不動産鑑定評価基準を参照しながら、土壌汚染との関係のひも解きに挑戦している。挑戦としているのは、評価に関する考え方や具体的な評価手法については、現時点で不動産鑑定業界内で未だオーソライズされたものではないので、筆者の私論の域を脱していないからである。

4.実務者ならではの具体的Q&A

 最後に実務対応編のような内容にしている。読者が土壌汚染という事象にぶつかる可能性がある場面を具体的に選び出し、それぞれをQ&A方式にしてみた。土壌汚染の調査方法、評価に関する考え方や評価上の対応策など多面的な記載にしている。身近な話題として読んでいただければありがたい。

  • 第1編 土地価格の評価における土地汚染の基礎知識
    • 第1章 土壌汚染の定義と物的な特性
    • 第2章 土壌汚染対策法の概説
    • 第3章 土壌汚染の調査と除去等の措置
    • 第4章 法律(主として私法)の観点から見た土壌汚染
    • 第5章 経済的観点から見た土壌汚染
  • 第2編 土壌汚染に関わる土地価格の評価の基本的な考え方
    • 第1章 土壌汚染に関わる新鑑定評価基準とその対応
    • 第2章 土壌汚染の調査と土地価格の評価
    • 第3章 除去等の措置の費用と土地価格の評価
    • 第4章 Stigma(心理的嫌悪感)について
    • 第5章 土壌汚染の存する土地と最有効使用の判定
    • 第6章 評価手法概説
  • 第3編 土壌汚染と土地価格評価の実務的な問題
    • Q&A 一般の売買
    • Q&A 不動産担保評価
    • Q&A 固定資産税評価
    • Q&A 相続税財産評価
  • その他の評価に関わるケースでの問題提起

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